研究情報
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2025.08.29 海水成分に邪魔されない光触媒素材
ナツメヤシシロップ/g‐C3N4:海水分解による水素製造のための金属/非金属相乗複合材料
Date-palm syrup/g-C3N4: A metal/non-metal synergistic composite for hydrogen production via seawater splitting
効率的な光触媒の開発は、水素製造にとって非常に重要である。海水と金属および非金属が豊富なナツメヤシの成分を利用した持続可能な戦略は、環境に優しいエネルギーソリューションを提供する。ここで、黒鉛状窒化炭素 (g-C3N4)をナツメヤシシロップ(DPS)と組み合わせて、水と模擬海水分解による水素製造のための新しい複合材料を作成した。本研究では、模擬海水中のさまざまな犠牲剤、その濃度、およびNaCl含有量が水素発生に与える影響を調べた。50 % DPS/g-C3N4複合材料は、脱イオン水中で水素収率7434.6 μmol/ gという最適な値を示し、純粋なg-C3N4に比べて2桁の改善を達成した。DPSの添加により、g-C3N4にコバルト、銅、マンガンが与えられ、その結果、バンドギャップが狭くなり、光吸収が拡張され、光励起電子と正孔対の再結合の抑制がもたらされた。驚くべきことに、50%DPS / g-C3N4複合材料は、シミュレートされた海水分解でさらに高い水素収率を示した。犠牲剤なしの場合、脱イオン水は80分の光照射後、637.98 μmol/gの水素を生産したが、3.5 wt% NaClを含む模擬海水では、同じ条件下で1739.12 μmol/gの水素を生産した。模擬海水中のイオンは電子伝達を促進し、DPS由来の硫黄は触媒表面での塩化物イオンの酸化と沈着を防止し、還元反応と水素発生を促進した。本研究は、脱イオン水と模擬海水を用いた光触媒水素生成の向上を目的としたg-C3N4の改質に関する持続可能な戦略を提案する
© 2025 The Author(s). Published by Elsevier Ltd. Creative Commons Attribution-NonCommercial 4.0 International(https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/)
https://doi.org/10.1016/j.fuel.2025.135163
Suliman Malaz , et al.
Fuel , 2025;394
doi:10.1016/j.fuel.2025.135163

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