研究情報
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2025.12.26 脱塩技術と攪拌方法の関係
Enhancing freeze desalination via stirring-induced modulation of thermal and solute transport at the ice-liquid interface
氷-液体界面における熱および溶質輸送の攪拌誘導調節による凍結脱塩の効率化
凍結脱塩(FD)における結晶化ダイナミクスと溶質分離の最適化は、非均一な温度勾配と複雑な流体挙動のため依然として困難である。本研究では、特注設計のジャケット付き円筒結晶化装置を用いた機械的攪拌がFD性能に与える影響を検討する。脱塩効率の変化を評価するために、合成NaCl溶液(35 g/L)を様々な攪拌条件下で放射状方向凍結に掛けた。塩水温度と氷塩分濃度の実験的測定値は、凍結中の熱および溶質輸送を模擬する検証済みの計算流体力学(CFD)モデルによって補正された。このモデルは、熱損失によるわずかな誤差を伴うものの、氷の成長パターンや塩分濃度の変動など実験的に観察された主要な傾向を捉えていた。当初、放射状の温度勾配によって駆動されて、氷は冷却壁に沿って核化した。時間の経過とともに塩分の排斥は塩水密度を増加させ、浮力駆動による成層化を促進し、結晶器上部(塩分濃度が低い領域)へ氷の蓄積を移した。攪拌はこれらの勾配を乱し、温度場と濃度場を均質化した。感度解析により、60 rpmでの攪拌は静止状態の59%に対し、氷収量を低下させずに塩除去効率を67%に改善することが判明した。攪拌は熱および溶質の境界層を緩和し、氷と液体界面での塩分蓄積を遅らせ、より均一な結晶成長を促進した。これらの知見は、FD技術の脱塩性能を向上させるために機械的攪拌を戦略的に用いられることを実証する。得られた知見は、流体力学と結晶化挙動の制御に基づくFDシステムの最適化指針を提供し、持続可能な水資源管理のための省エネルギー分離技術開発に貢献する。
© 2025 The Author(s). Published by Elsevier B.V. Creative Commons Attribution NonCommercial 4.0 International License (http://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/).
https://doi.org/10.1016/j.seppur.2025.134059
Zhang Hongtao , et al.
Separation and Purification Technology , 2025;376(P2)
doi:10.1016/j.seppur.2025.134059

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