研究情報
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2026.01.30 胎児で受けた高塩分摂取の影響
Impact of perinatal hypertonic NaCl access on adult offspring’s sodium intake and angiotensin and vasopressin systems under hypertension model
周産期の高張性NaCl投与が高血圧モデル下における成体子孫のナトリウム摂取量およびアンジオテンシン・バソプレッシン系に及ぼす影響
周産期でのナトリウム嗜好性は、浸透圧刺激などの昇圧刺激後の血圧再確立を阻害する腎臓および脳の解剖学的・分子的変化を誘発して、血圧制御にプログラム効果を持たせる。しかし、この期間中の自発的なナトリウム摂取が高血圧の発症に及ぼす刷り込み効果は不明である。これを評価するため、我々は、周産期に自発的な高張性ナトリウム摂取に曝露された成体子孫(PM-NaCl群)において、血圧、ナトリウム摂取反応、ならびに腎臓と脳での遺伝子発現における酢酸デオキシコルチコステロンと高塩分食(DOCA-salt)の処置が及ぼす影響を研究した。雄のPM-NaClラットはDOCA処理期間中に対照群(PM-Ctrol群)より多くのナトリウムを摂取した。しかし、誘発された高血圧はPM-NaCl群とPM-Ctrol群間で差がなかった。この行動変化は、塩分食欲と自律神経機能の調節に重要な領域であるPM-NaClの脳弓下器官および視床下部脳室傍核の脳レベルでのアンジオテンシン1型受容体(Agtr1a)遺伝子発現の増加を伴っていた。腎レベルでは、プログラムされた動物はPM-Ctrol群と比べて、DOCA塩処理により誘導される遺伝子発現、例えば、腎髄質におけるAgtr1aや一過性受容体電位バニロイド型1チャネル(TRPV1)および腎皮質におけるバソプレシン2受容体(VP2R)の発現で、異なる反応を示した。データは、周産期に豊富なナトリウム源を利用できることが、DOCA塩処理ラットに長期的な効果をもたらし、行動や脳、腎臓の反応を変化させることを示しており、この早期ナトリウム曝露が、主にナトリウム摂取の変化やアンジオテンシン系およびバソプレシン系の調節機構によって引き起こされる慢性非伝染性疾患に対する生物の脆弱さに影響を与えることを示唆する。
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https://doi.org/10.1038/s41598-025-93238-4
Porcari Cintia Y , et al.
Scientific Reports , 2025;15(1)8933
doi:10.1038/s41598-025-93238-4

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