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2025.12.26 塩攻撃に強化モルタルは耐えることが出来るのか!!
Durability and bond behavior of textile-reinforced mortar composites under prolonged saline exposure
長期塩水暴露下における繊維強化モルタル複合材の耐久性と接着挙動
繊維補強セメント系マトリクス(FRCM)とも知られる繊維補強モルタル(TRM)の耐久性は、既存の石造建築物の構造補修において、特に過酷な環境下で重要な要素となる。これまでの研究では様々な暴露シナリオが検討されてきたが、塩分環境がTRMシステムに及ぼす長期的な影響については、依然として十分に解明されていない。本研究では、石灰系モルタルマトリックスにガラス繊維および玄武岩繊維織物を組み込んだTRM複合材について、3.5% NaCl溶液への1000時間、3000時間、5000時間の曝露後の機械的応答を解析した。評価には、モルタルの圧縮および曲げ試験、乾燥繊維の引張試験、ならびに引き抜き試験および単一重ねせん断試験による接着性能評価が含まれた。結果は、塩化物による水和反応により界面挙動の初期的な強化と、それに引き続いて、カルシウムの消耗、塩の結晶化、およびピーク後の延性低下を特徴とする進行性の劣化を明らかにした。ガラス系システムでは接着強度の持続的な低下が認められた一方、玄武岩系システムでは脆性破壊前に一時的な強度増加を示した。これらの知見は、海洋または沿岸構造物向けのTRM応用設計において、繊維の種類と曝露期間の重要性を強調している。
© 2025 The Authors. Published by Elsevier Ltd. Creative Commons Attribution NonCommercial 4.0 International License (http://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/).
https://doi.org/10.1016/j.jobe.2025.113887
Azimi Nima , et al.
Journal of Building Engineering , 2025;112
doi:10.1016/j.jobe.2025.113887

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