研究情報
Research information

マグネシウム（Mg）は廃塩水中の貴重な陽イオンであり、海洋資源に豊富に存在（約100万トン/km³）し、様々な産業に不可欠である。従来の結晶化法では過飽和度の制御が限定的であるため、結晶の品質が不安定になりがちである。しかしながら、膜蒸留結晶化（MDCr）は核生成と結晶化を精密に制御できるため、鉱物抽出に有望である。本研究では、まずは純粋なMgSO4溶液で、次にNaCl、KCl、MgCl2塩を個別に添加し、最後に混合溶液を使用して、MDCrによるMgSO4結晶化を検討した。検討した主要パラメータには、供給温度、流量、イオン濃度が含まれた。PHREEQCシミュレーションを実験結果と比較した。試験は供給温度約41℃、51℃、62℃、透過温度約20℃、24℃、30℃、流量13.3、23.6、30.1 mL/secで実施した。結果は、温度がMDCrの性能（膜間フラックス、対数平均温度差、透過液導電率）と結晶化（平均結晶サイズ、変動係数、濁度、誘導時間）に著しい影響を与えることを示した。NaClおよびMgCl2は、より低い過飽和度および回収率で早期結晶化を誘発し、誘導時間を増加させ、これにより平均結晶サイズと変動係数（CV%）が増加した。一方、KClはMDCrへの影響は最小限であったが、結晶化には顕著な影響を示した。全試験条件においてMDCrはCV%を50%未満に維持し、結晶均一性を確保する能力を実証した。実験的結晶化点はPHREEQC予測値と高い一致性を示した（偏差＜6%）。透過液の導電率は1μS/cm未満を維持し、濃縮塩水から高純度水を生産するMDCrの効率性を裏付けた。これらの知見はNF塩水からのMgSO4回収に関する重要な知見を提供する。
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https://doi.org/10.1016/j.seppur.2025.133852