研究情報
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2025.11.28 加塩を減らしても食肉を柔らかく
Postmortem salting effects on actomyosin characteristics and tenderness in chicken breast: Role of L-lysine at low NaCl
鶏胸肉における死後加塩処理がアクチノミオシン特性と柔らかさに及ぼす影響:低NaCl条件下におけるL-リジンの役割
L-リジンは、低塩化ナトリウム (NaCl) 条件下で肉製品の加工特性と品質特性を改善することが実証されている。本研究では、低塩化ナトリウム濃度(1% NaCl)条件下におけるL-リジン(0.06%、0.12%、0.18%、0.20%)の死後硬直前の効果に焦点を当て、鶏胸肉の死後熟成(12時間および24時間)中の柔らかさに及ぼす影響を調べた。鶏胸肉は死後90分でNaClとL-リジンでマリネ処理した。結果、0.06% L-リジン添加は1% NaCl単独処理と比較し、せん断力、硬度、Ca2+・Mg2+-ATPase活性を有意に(P<0.05)低下させると同時に、筋原線維断片化指数とカテプシンB活性を増加させた。本研究ではさらに、全てのL-リジン処理胸肉サンプルにおいて、アクチノミオシン粒子のサイズ縮小、蛍光強度の増加、遊離スルフヒドリル基レベルの増加が明らかになった。結論として、L-リジンは濃度増加に伴い鶏胸肉の柔らかさを向上させ、特に低NaCl条件下においてタンパク質構造の安定性を維持し肉の柔らかさを増強することで、良好な効果を示した。
© 2025 The Authors. Published by Elsevier Ltd. Creative Commons Attribution NonCommercial 4.0 International License (http://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/).
https://doi.org/10.1016/j.lwt.2025.118246
Jamali Muneer Ahmed , et al.
LWT - Food Science and Technology, 2025;230
doi:10.1016/j.lwt.2025.118246

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