研究情報
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2025.11.28 しょっぱいはずが・・・過度な甘みにご注意を!!
The addition of sweetness reduces aversion to high salt concentrations in patients with chronic kidney disease
甘味を加えることで、慢性腎臓病患者の高塩濃度に対する嫌悪感が軽減される
塩分摂取量を減らすことは、高血圧を管理するために非常に重要である。塩分摂取量を減らす取り組みは、人々が塩分を好むという前提に基づいているが、高レベルの塩分に対する嫌悪感を認識することも重要である。最近の研究では、CKD(慢性腎臓病)患者では味覚認識だけでなく、高塩分への嫌悪感も変化していることが明らかになってきた。しかしながら、この嫌悪感に様々な味覚を組み合わせることの効果はまだ不明である。本研究では、甘味を加えることが CKD 患者の塩味嫌悪にどのような影響を与えるかを調べた。100 人の健康なボランティアと 66 人の CKD 患者に対して、さまざまな濃度の NaCl、スクロース、酒石酸、および塩酸キニーネを含浸させた濾紙を使用して味覚テストを実施した。嫌悪閾値は、不快であると認識される最低濃度として定義された。甘いものと塩味、酸味、苦味の組み合わせに対する嫌悪閾値を測定した。塩味、酸味、苦味への嫌悪感は濃度とともに増加した。しかし、健康な被験者の44%とCKD患者の79%は、高塩分に嫌悪感を示さなかった。甘味を加えると塩分嫌悪感が大幅に減少し、健康な被験者の52%、CKD患者の92.4%が高塩分に対する嫌悪感を示さなかった。甘味は酸味への嫌悪感をわずかに減少させたが、どちらのグループでも苦味には影響しなかった。甘さは、健康な人とCKD患者の両方で高塩分への嫌悪感を軽減する。塩分摂取を制限するには、塩分を減らすだけでなく、塩分嫌悪感を下げるため、過度の甘さも避けるべきである。
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https://doi.org/10.1038/s41598-025-09602-x
Okuno-Ozeki Natsuko , et al.
Scientific Reports , 2025;15(1)24322
doi:10.1038/s41598-025-09602-x

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