研究情報
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2025.10.31 栄養に対する知識・スキル・行動が導く減塩戦略
栄養リテラシーと減塩対策:減塩意図の媒介的役割
Nutrition literacy and salt reduction measures: a mediating role of salt reduction intention
背景:過剰な塩分摂取は公衆衛生上の問題であり、個人の健康に重大なリスクをもたらす。様々な減塩戦略が世界的に実施されている。栄養リテラシー (NL) により、人々は十分な情報に基づいて、健康に影響を与える食品選択を下すことができる。個人の行動は主にその意図によって形成され、その意図は行動に関する知識や態度の影響を受ける。本研究は、NL と減塩対策の関係を推定し、塩分摂取量を減らす意図がこれらの関係を媒介するかどうかを調べることを目的とする。
方法:本研究は中国・蚌埠市の成人を対象とした横断研究である。NL は、12 項目の短い形式の NL スケールを用いて評価した。減塩対策と減塩意向は、アンケートを通じて特定した。バイナリ ロジスティック回帰モデルを適用して、この関連性のオッズ比 (OR) と 95% 信頼区間 (CI) を計算した。
結果:全体として、参加者の50.7%が減塩対策を実施し、32.5%が強い実施意思を示した。NLは、減塩意図(OR = 1.07、95%CI:1.06-1.09)および減塩対策(OR = 1.06、95%CI:1.04-1.07)と有意な正の相関を示した。この関連性は、ナトリウム含有量の栄養表示の確認(OR = 1.08、95%CI:1.05-1.10)、低ナトリウム塩の使用(OR = 1.06、95%CI:1.04-1.08)、および塩分制限ツールの使用(OR = 1.05、95%CI:1.03-1.07)で特に顕著であった。また、減塩意図(媒介効果比=66.7%)が、NLと減塩対策の関連を媒介していた。
結論:NLは減塩対策と正の相関があり、減塩意図はそれらの関連性を部分的に媒介する。これらの調査結果は、中国人人口内で減塩対策を採用する個人の意図を高める、NL を対象とした介入またはプログラムの必要性を強調する。
Copyright © 2025 Hu, Sun, Tian and Liu.  Creative Commons Attribution 4.0 International License (http://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).
https://doi.org/10.3389/fnut.2025.1603835
Hu Xiaoting , et al.
Frontiers in Nutrition (Web), 2025; 12,1603835
doi:10.3389/fnut.2025.1603835

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