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2025.10.31 胃がんと高塩分摂取の関係は?
高塩分摂取に起因する胃癌の負担と2042年までの予測:中国・日本・韓国の国際比較分析
The burden of gastric cancer attributed to high salt intake and predictions through the year 2042: a cross-national comparative analysis of China, Japan, and South Korea
背景:胃がんは、特に塩分摂取量の多さが主要な危険因子である東アジアでは、依然として重大な健康問題となっている。本研究では、中国、日本、韓国における高塩分摂取に起因する胃がん負荷を評価する。
方法:高塩分摂取に関連する年齢標準化死亡率 (ASMR)、年齢標準化 DALY 率 (ASDR)、集団帰属率 (PAF) を含めて、GBD 2021 データベースからデータを分析した。この調査は、25歳以上の個人に焦点を当て、世界、中国、日本、韓国の人口を対象とし、1990年から2021年までの傾向と2042年までの予測を行った。
結果:1990年から2021年にかけて、塩分摂取量の多さに起因する胃がんの負担は世界的に、そして中国、日本、韓国で大幅に減少した。世界全体では、ASMR は 1990 年の10万人当たり1.74 人から 2021 年には 10万人当たり 0.89 人に減少した (EAPC = -2.26)。中国では、ASMRは1990年の10万人当たり3.85人から2021年には10万人当たり1.78人(EAPC = -2.56)に減少し、日本と韓国でも同様の減少が見られた。男女格差は依然として残っており、特に高齢者の間では男性の胃がん負担が著しく高い。
結論:高塩分摂取に起因する胃がん負荷は 1990 年から 2021 年にかけて減少したが、特に高齢者と男性集団において、依然として死亡率と DALY sの主要な要因となっている。ただし、これらの調査結果は、モデル化された集団レベルのデータに依存しており、観測情報源から因果関係を確立できないため、慎重に解釈すべきである。
Copyright © 2025 Liu, Peng, Zhao, Liu and Liao. Creative Commons Attribution 4.0 International License (http://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).
https://doi.org/10.3389/fnut.2025.1584400
Liu Wei , et al.
Frontiers in Nutrition (Web), 2025; 12,1584400
doi:10.3389/fnut.2025.1584400

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