研究情報
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2025.09.30 コンクリートの塩害機構
温度と湿度勾配下におけるコンクリート構造物中の塩分輸送挙動
Behavior of Salt Transport in Concrete Structures Under Temperature and Moisture Gradients
コンクリートは、ビル建築で最も広く使用されている材料の 1 つである。基礎や耐荷重構造の劣化は、こうした種類の建物に経済的および環境的損害を引き起こす可能性がある。コンクリートの劣化は、機械的応力、気候変動、コンクリート細孔への塩の移行などの化学的攻撃に起因するいくつかの要因によって発生し得る。この最後のプロセスでは、塩がいくつかの箇所で濃縮、結晶化することで、内圧が上昇し、ひび割れや亀裂が発生、構造全体が他の劣化要因の影響を受けやすくなっている。これに関連して、この研究では、コンクリート中の塩の移動に関して共役する熱と水分の輸送の影響を数値的に分析することを目的とした。支配方程式を有限体積法の使用により第一にモデル化し、離散化した。多重三重対角行列アルゴリズム (MTDMA) を使用して代数方程式系を解き、支配方程式の同時解法を可能にした。現在のモデルを検証するために、文献に見られる他の研究との比較を行ってきた。本モデルの調査結果と既存文献に記載の知見との間に認められた一致は明白であり、二乗平均平方根偏差値は、ともにこの検証解析期間での 3 か月間 (最小) で 2.94%、12 か月間 (最大) で 6.63% と記録された。この後、コンクリートサンプル中の塩分輸送に対する温度と水分勾配の影響分析のためにシミュレーションを行った。結果は、等温条件を頻繁に考慮する文献に反して、塩輸送における吸収と乾燥プロセスの影響、およびこのモデルに含まれるエネルギー保存方程式の重要性を示した。これらの結論は、コンクリート構造物の劣化を防ぐための知識を提供する上で有益である。さらに、塩類の分析結果は、塩化ナトリウムの結晶化能力を示した。1年間のシミュレーションの後、塩化ナトリウムは、硫酸マグネシウムの濃度とは対照的に、サンプル全体でほぼ均一な溶解度レベルに達した。
Copyright © 2025 Rhayssa M. M. Ribas et al. Modelling and Simulation in Engineering published by John Wiley & Sons Ltd.  Creative Commons Attribution 4.0 International License (http://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).
https://doi.org/10.1155/mse/6289059
Ribas Rhayssa M. M. , et al.
Modelling and Simulation in Engineering (Web), 2025; 2025
doi:10.1155/mse/6289059

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