研究情報
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2025.09.30 高塩分摂取、血圧上昇ではない心臓への負担
塩分感受性と心筋線維症:サイレント心血管リモデリングの解明
Salt sensitivity and myocardial fibrosis: unraveling the silent cardiovascular remodeling
塩分感受性は心血管リスクの一因としてよく知られており、従来は高血圧と関連付けられてきた。しかし、新たな証拠は、高ナトリウム食が酸化還元感受性および線維化促進経路の活性化を含む非血行動態的メカニズムを通じて心筋線維症を促進する可能性を示唆している。メカニズムの洞察が高まっているにもかかわらず、塩分感受性と心筋線維症との関係は、特にヒト研究では十分に解明されていないままである。このレビューでは、分子シグナル伝達カスケード、組織内ナトリウムコンパートメント化、および塩分感受性生理学の臨床的意義に焦点を当て、食事による塩分摂取と心筋線維症を関連付ける現在の実験的および橋渡し研究成果を取り纏める。拡張期機能障害の発症へのこれらのメカニズムの重要性と、駆出率保持型心不全 (HFpEF) への潜在的な寄与について考察する。さらに、動物モデルからの知見と、心筋ナトリウム過剰負荷と線維化リモデリングとの関連を視覚化するための新規画像診断ツールとしてのナトリウム磁気共鳴画像法(23Na-MRI)の新たな応用に焦点を当てる。最後に、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬 (MRAs)、アンジオテンシン受容体遮断薬 (ARBs)、ナトリウム-グルコース共輸送 2 阻害剤 (SGLT2)、ナトリウム調節介入など、従来の降圧薬を超えた将来の治療戦略を探る。これらの知見は、併せて塩感受性心血管疾患の早期発見と標的治療の新たな機会を提供する。
© 2025 Mutengo, Ngalamika, Kirabo and Masenga. Creative Commons Attribution 4.0 International License (http://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).
https://doi.org/10.3389/fphar.2025.1626492
Mutengo Katongo Hope , et al.
Frontiers in Pharmacology (Web) , 2025;16, 1626492
doi:10.3389/fphar.2025.1626492

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