研究情報
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2025.07.30 岩塩と海塩の識別
ラマン分光法と主成分分析を組み合わせた食用塩の分類
Classification of edible salts using Raman spectroscopy coupled with principal component analysis
ラマン分光法は分子の振動モード解析に有効な光学技術である。これは精度を損なうことなく簡便かつ迅速に行えるなど多くの利点があり、多様な試料に適用できる。ラマンスペクトルは材料の特性評価に役立つところの分子の構造を示すフィンガープリントとみなすことができる。この研究では、主成分分析(PCA)のような探索的ツールと組み合わせたラマン分光法を、サウジアラビアのジェッダの地元市場で入手可能な24種類の食用塩の同定と分類に適用した。
その結果、ラマン分光法とPCA分析が食用塩の種類をその起源(岩塩か海塩か)に基づいて識別するのに有効であることが示された。これは2800-3800cm-1(OHバンド)の間の狭い領域を分析することによって達成されており、この領域で95.83%の精度で起源に基づく塩サンプル間の優れた識別を得るのに十分となった。しかし、この技法では、天然塩と精製塩の違いは検出できなかった。このことは、化学的に処理された精製塩をラマン分光法で識別することの難しさを示唆している。この研究は食用塩をその起源に基づいて分類するために利用できるであろう。
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(http://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).
https://doi.org/10.1088/2053-1591/adb9ba
Ganash Entesar A , et al.
Materials Research Express, 2025; 12(3) 035502 (11pp)
doi:10.1088/2053-1591/adb9ba

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