研究情報
Research information

研究情報

2025.07.30 乳製品コスト削減のヒント
向流透析による乳製品の脱塩
Desalting of dairy product streams using countercurrent dialysis
膜ベースの透析濾過を用いたタンパク質溶液の脱塩は酪農産業において確立された技術である。しかし、これらのプロセスでは大量の水を消費し、大量の廃棄物が発生する。この研究では、クロマトグラフィー精製の下流でウシラクトフェリンを脱塩するための連続向流透析の使用を従来のバッチ透析と比較した。実験結果から、透析液と供給液の比率が2.1の場合、塩濃度の200倍の減少を可能にし、これは6重量%の塩溶液で99.5%の塩分除去に相当する。比較として、透析で同様の結果を得るには、5.3 から 6 のダイアボリュームが必要であった。性能は3または6 重量 % のラクトフェリンの存在下で 8 時間以上維持できた。透析液排出口のNaCl濃度も高かったため、上流のクロマトグラフィー溶出段階で再利用できる可能性が認められた。詳細な質量収支計算により、統合プロセスを使用した場合、バッチ透析濾過を採用したプロセスと比較して、淡水で最大77 %、NaCl消費量で最大46 %節約できることが示唆された。この結果は、連続的な向流透析濾過の使用が、乳製品製造業者がコストを削減し、持続可能性を高めるのに役立つ可能性のあることを示唆する。
© 2025 The Authors. Published by Elsevier Ltd. Creative Commons Attribution 4.0 International License
(http://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).
https://doi.org/10.1016/j.jfoodeng.2025.112584
El-Okazy Moataz Ali , et al.
Journal of Food Engineering, 2025;397
doi:10.1016/j.jfoodeng.2025.112584

トピックス