研究情報
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2025.05.30 玉ねぎの皮の使い道
熟成中の減塩乾燥生ハムの脂質酸化及び揮発性フレーバー化合物に及ぼすタマネギ皮抽出物の影響
Effects of onion skin extract on lipid oxidation and volatile flavor compounds of low-salt dry-cured ham during ripening
この研究では、70%の塩化ナトリウム、18%の乳酸カリウム、12%のリジンからなる新しい低ナトリウム処方をタマネギスキンエキス(OPE)でコーティングされたラードシステムに組込むことと、低塩乾燥硬化ハムタマネギスキンエキス(OPE)の栄養、官能、風味の品質に及ぼす影響を調べ、それらをポジティブコントロールのケルセチン(QCT)と比較した。その結果、OPE群とQCT群は、過酸化物価(POV)をそれぞれ35.82%と25.37%、チオバルビツール酸反応性物質(TBARS)を28.75%と30%有意に減少させた。さらに、OPEまたはQCTの適用により、乾燥硬化ハムの共役ジエンおよびカルボニルの値(P < 0.05)は大幅に減少したが、不飽和脂肪酸含有量は増加した。すべてのサンプルには42種類の芳香族化合物が含まれ、OPE群とQCT群では対照群(CK)よりもベンゼンアセトアルデヒド、テトラデカナール、ヘプタンが多く検出された。さらに、脂肪酸生合成およびα-リノレン酸およびリノール酸代謝に関連する24種類の代謝物が同定された。官能評価では、OPEは香り、味、受容性を有意に改善したことが示されたが、そのスコアはQCTよりも低く、電子舌分析と一致した。この研究は、生ハム製品の品質を向上させるためにコーティング材料として天然の酸化防止剤を適用する新しいアプローチを提供するものである。
© 2025 The Authors. Published by Elsevier Ltd. Creative Commons Attribution-NonCommercial 4.0 International
(https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/)
https://doi.org/10.1016/j.lwt.2025.117339
Chen Siqi , et al.
LWT - Food Science and Technology, 2025; 216
doi:10.1016/j.lwt.2025.117339

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