研究情報
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2025.04.30 塩味好きは脂肪分もお好き!?
塩味を好むことは、より脂肪分が多く、よりカロリーの高い食品を好むことと関連している
Liking for saltiness is associated with preference for fattier and more caloric foods
塩分、脂肪、砂糖が豊富な食品の大量摂取は、健康への悪影響の危険因子であり、これらの成分を減らすための戦略が開発されているが、その結果は結論がでていない。この理由の1つは、塩辛い食品、脂肪の多い食品、甘い食品の好みの関係がはっきりしないことであろう。この研究の目的は、塩辛い食品を好む傾向の強い個人が、塩辛いものか、香ばしくない/甘いものかにかかわらず、より脂肪の多い食品も好むかどうかを調査することであった。モデル食品(濃度を上げた塩分、NaClの加えられた豆のピューレ)への好みと強度への反応を、塩味に対する反応が異なる消費者のグループを特定するために、395人の被験者によって取得した。嗜好スコアに基づく階層的クラスター分析により、被験者の1つのグループ(クラスター1:塩好き、n = 285)は、クラスター2に属する被験者(塩嫌い、n = 110)よりもNaCl濃度の高い豆ピューレサンプルを有意に好むことが明らかになった。また、塩分を嫌う人は、塩味、うま味、全体的な風味が、塩分を好む人よりも有意に強いと評価した。これらの違いは、水溶液中の味の評価にも存在したが、茸状乳頭 の密度や健康と味に対する意識には、クラスター間に違いは見られなかった。2つのクラスターの間には、食品の選択肢に関して有意差が見られ、塩を好む人は、塩分を嫌う人よりも、脂肪が多く、カロリーが高い食品と非塩味/甘い食品の両方を選択し、したがって健康的ではないと認識される頻度が高かった。これらの結果は、塩辛い食品を好む被験者は、おいしいかそうでないかにかかわらず、一般的に脂肪の多い食品も好むことを示唆している。したがって、塩辛い味の好みで個人をセグメント化するアプローチは、一般的に健康的でない食品の選択をする傾向のある消費者グループを特定する有用な方法であるように思われる。
© 2024 The Author(s). Published by Elsevier Ltd. Creative Commons CC-BY license (https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).
https://doi.org/10.1016/j.foodqual.2024.105355
Proserpio Cristina , et al.
Food Quality and Preference, 2025; 124
doi:10.1016/j.foodqual.2024.105355

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