研究情報
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2025.04.30 イリシンの効能
イリシンは腎AMPK-Rac1経路の制御を介して食塩感受性高血圧を軽減する
Irisin mitigates salt-sensitive hypertension via regulating renal AMPK-Rac1 pathway
Irisin mitigates salt-sensitive hypertension via regulating renal AMPK-Rac1 pathway
方法: 雄のダール耐塩性(DSR)およびダール塩感受性(DSS)(12週間)ラットに、腹腔内注射によるイリシン治療の有無にかかわらず、高塩分食(8%NaCl)を8週間給餌した。
結果: DSRラットと比較して、DSSラットは収縮期血圧(SBP)が高く、ナトリウム利尿と利尿の障害、腎機能障害を示した。さらに、腎臓のp-AMPKαのダウンレギュレーションと、腎臓RAC1と細胞核ミネラルコルチコイド受容体(MR)のアップレギュレーションを伴った。イリシンの介入は、腎のp-AMPKαレベルを大幅にアップレギュレートし、腎のRAC1-MRシグナルをダウンレギュレートし、それによって腎ナトリウム排泄と腎機能を改善し、最終的にはDSSラットの血圧を低下させた。イリシンによるEx vivo処理は、DSSラットの初代腎遠位尿細管細胞におけるRAC1および核MRの発現を減少させ、化合物C(AMPK阻害剤)の同時治療によりイリシンの効果が消失したことから、イリシンによるRAC1-MRシグナルの制御はAMPKの活性化に依存していることが示された。
結論: イリシンの投与は、AMPKの活性化を介してRAC1-MRシグナル伝達を制御することにより、塩分感受性高血圧症を低下させ、これは、塩分感受性高血圧に対する有望な治療アプローチとなりうる。
© 2024 The Author(s). Published with license by Taylor & Francis Group, LLC. Creative Commons Attribution-NonCommercial License (http://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/)
https://doi.org/10.1080/10641963.2024.2402258
Mao Jie , et al.
Clinical and Experimental Hypertension, 2024; 46(1)2402258
doi:10.1080/10641963.2024.2402258
Clinical and Experimental Hypertension, 2024; 46(1)2402258
doi:10.1080/10641963.2024.2402258