研究情報
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2025.01.31 塩味受容における新展開!!
塩味受容の複雑性:塩化物味覚検出におけるTMC4の役割に関する洞察
The complexities of salt taste reception: insights into the role of TMC4 in chloride taste detection
塩は生命に欠かせない必須物質であるが、塩分の過剰摂取はさまざまな健康問題を引き起こす可能性がある。そのため、味を損なうことなく塩分摂取量を減らすための新しい技術と戦略を開発する必要がある。しかし、塩味の受容の根底にある生理学的メカニズムは複雑で、完全には解明されていない。塩化ナトリウムは典型的な塩味物質である。塩味の生成にはナトリウムだけが重要であると広く信じられている。一方、心理物理学的観点から、塩味における塩化物の重要性が指摘されてきた。したがって、塩味受容の基本を完全に理解するためには、ナトリウム味と塩化物味の両方の生成メカニズムを理解する必要がある。しかし、塩化物の味を検出するメカニズムは、長年不明なままであった。最近、我々は塩化物味の受容を媒介する最初の分子として、transmembrane channel-like4(TMC4)を同定した。TMC4は電位依存性の塩化物チャネルとして機能し、塩化物イオンを検出することにより、塩化物の味の受容に重要な役割を果たしている。このミニレビューでは、まず既知の塩味受容メカニズムを紹介し、次に塩味受容におけるTMC4の役割について考察する。TMC4の発見は、味覚を損なうことなく塩分摂取量を減らすための新たな技術開発や戦略立案の基礎となるかもしれない。
© 2024 Kasahara, Narukawa, Saito, Abe and Asakura. Creative Commons Attribution 4.0 International License
(http://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).
https://doi.org/10.3389/fnmol.2024.1468438
Kasahara Yoichi , et al.
Frontiers in Molecular Neuroscience (Web) ,2024; 17;1468438
doi:10.3389/fnmol.2024.1468438

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