研究情報
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2026.09.30 淡水水生虫の塩への対応機序
淡水性ユスリカ(Chironomus riparius)幼虫でのアクアポリン(CrAQP2)の発見と道路除氷剤への反応でのその役割
Discovery of an aquaporin (CrAQP2) in the freshwater larval midge, Chironomus riparius and its role in response to road de-icers
Chironomus riparius ユスリカ幼虫は北半球の淡水生態系に広く生息している。近年、温帯地域の淡水が道路除氷剤の使用により塩水化の脅威にさらされている。周囲の気温が変動すると、雪や氷の融解により除氷剤が近くの淡水に運ばれ、塩分濃度が大幅に上昇する。最近では、従来ある道路用塩への「環境に優しい」代替品として、ブラインビートジュースデアイサー(BBJD)を含む有機除氷剤が導入されている。BBJDが淡水無脊椎動物に与える影響はあまり知られていない。水生昆虫は、浸透圧調節器官のイオン輸送機能の調節で塩分濃度に反応する。昆虫の浸透圧調節での重要な要素は、浸透圧勾配に沿って水の移動を可能にする「アクアポリン(AQP)」として知られる水チャネルタンパク質の存在である。これまでのところ、水生昆虫でのAQP機能への塩分濃度の影響に関する知見は限られている。本研究では、C. riparius幼虫の浸透圧調節器官にあるCrAQP2(PRIP相同体)として知られる水特異的AQPの特徴付けを行った。CrAQP2は浸透圧調節器官での免疫的解析により最多の転写産物量でマルピギ管に局在することが示された。NaClは一部の器官においてCraqp2転写産物の発現に差異をもたらしたが、BBJDはCraqp2転写産物レベルにほとんど影響を与えなかった。Craqp2のノックダウンは、処理有無にかかわらず体内の総水分量を減少させ、BBJDおよびNaCl条件下での幼虫の生存率を低下させた。したがって、CrAQP2は体内総水分量の安定維持に重要であり、ユスリカ幼虫が塩分濃度に反応する能力に関与すると考えられる。
© 2026 The Author(s). Published by Elsevier B.V. Creative Commons Attribution 4.0 International License (CC BY 4.0).
https://doi.org/10.1016/j.cris.2026.100123
Picinic Britney N. , et al.
Current Research in Insect Science , 2026;9
doi:10.1016/j.cris.2026.100123

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